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新幹線の中で

先日仕事で茅ヶ崎へ行った帰り、小田原から新幹線に乗りました。こだまでのんびり帰ろうかなとも思ったのですが、たまたま次の熱海に停車するひかりがあったので、それに乗り換えて帰りました。

日曜日の夕方、ひかりの車内はほぼ満席、いつもはC席(3人掛けの通路側)を希望するのですが、今回は空いてなくD席(2人掛けの通路側)になりました。以前はE席(2人掛けの窓側)に好んで乗っていたのですが、たまたま満席の時、隣に座られたおばさまが幅は取るわ、寝入って起きないわで、降りようとして何度「すみません」と言っても全く気付かれず寝たまま、見るに見かねた周りの方が私のキャリーケースを受け取ってくれ、私はそのおばさまと荷物をまたいで降りるという経験をして以来、窓側は止めました(笑)

で、今回は窓側には年配の男性が座っておられました。(感じのよさそうな方でよかった…)軽く会釈をして座り、熱海駅で買った駅弁をパクパク食べていたのですが、次の静岡に近づいた頃、その方が降りる準備か、上着を着始められました。席に座ったままですからなかなか袖が通らず苦戦しておられましたので、思わず「お手伝いしましょうか?」と声を掛け、上着を引っ張って差し上げました。

すると「ありがとうございます。私、障害があって手が不自由なんです。お食事中にお手間取らせてごめんなさいね」と言われました。あー何となく手が震えて見えたのは、単に年齢や席が狭いせいでなく、障害のせいだったんだーと思っていますと、その紳士が話し掛けてこられました。


紳「今はね、いい時代ですよ。私らみたいな障害者に、世の中は本当にやさしい。いつもは家内と二人で出かけますが、二人で一人分の乗車券で乗せてもらえるんです」

悠「そうなんですか」

紳「それにね、今の医学は素晴らしい!私は60歳から10数年の記憶がないのです。倒れて以来ずっと寝たきりで、一時は親戚一同集められて『もうダメ』と言われたこともありました。でもね、7年ほど前に手術をしてから奇跡的に回復し、こんな元気にしてもらえました。本当にありがたい」

悠「そうですか…失礼ですが、おいくつでいらっしゃいますか?」

紳「満80歳です!」

悠「えー?とてもそんなふうにはお見受けできません」

紳「ありがとうございます。あのね、あなたはまだお若い。でもね、今後もし病気になられて、あってはならないけれど『もうダメ』と言われても、絶対にあきらめてはいけませんよ。今の医学は本当にすぐれています。必ず助けてくれます。」

悠「そうなんですね。ありがとうございます。」

話をしながら降りられる準備が整ったようでしたので、テーブルを片付け、席を立ち「どうぞ」と通路を空けました。

紳「お食事中に本当にごめんなさいね。本当にありがとうございました。」

悠「こちらこそ、ありがとうございます。どうぞお気をつけて。」


今の世の中は…と嘆く人が大半の中で「今の世の中はやさしい」と言われた紳士…感謝の気持ちがあるから奇跡が起きたのか、奇跡が起きたから感謝をされるようになられたのか、それは定かではありませんが、本当に80歳には見えない、肌などつやつやでとても笑顔のすてきな方でした。

乗降口へゆっくり歩いて行かれる後ろ姿を見送りながら「どうぞお元気で」心からお祈りしました。きっとほんの1、2分のできごとでしょう。それにしても満席でうんざりの車内で、心温まるとても素敵なご縁でした。

















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  1. 2010/04/24(土) 08:06:51|
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